memo

いつも応援してくださる皆様へ

ここに書くのが久しぶりすぎて、自分でも存在を忘れかけていたブログですが、漫画描きになって10年という節目でもあるので、今回ひだまりのドラマ化の件に絡めてお話ししたいと思いました。

このタイミングで書くべきかも悩みましたが、このタイミングだからこそ伝えたいという思いもあったので、長くなりますがよければ最後まで目を通して頂けると幸いです。

まず、今回のドラマ化にあたって映画版との違いやそもそも実写化に対する不安などのご意見をちらほら見かける機会があり、複雑な心境になりました。
それはひとえにドラマ化を否定したいのではなく、映画版や原作を大事に思ってくださる気持ちの現れだと思ったからです。そのお気持ち自体は、本当に有難く思います。

私にとってもひだまりの映画版はとても大事な存在です。監督やキャストの方々を始め関わってくださった方々に心から感謝しています。
当時は誰もまさかこんなに長く連載が続くものとは思っていませんでしたし、まだまだ仕事も駆け出しで不安な中、自分の作品を映像化して頂ける機会に恵まれたことは本当に幸運だったと思います。
キャストの方々の演技に対する姿勢や考え方を伺う機会もあって、普段知り得ない世界のことを垣間見ることができ、本当に良い経験をさせて頂けたと思っています。

また、昨年「さらば、佳き日」をドラマ化していただいた際には映画とはまた違う、ドラマならではのテンポがあると知ってとても勉強になりました。
ちょうど連載が終わるタイミングで、長年共に過ごした桂一や晃たちとお別れするのが寂しいと思う暇もなくドラマ関連の準備に入ったためか、ドラマ放送後も今に至るまでずっと、寂しいという気持ちは不思議と湧かずにいつでもさらばの皆に会える感覚でいます。

そういった経験から、私自身は実写化に対してはさして悪いイメージというものは持っていませんでした。
とはいえ、ひだまりはさらばと違いまだ連載途中の作品であること、一度実写化して頂いてることから、ドラマ化のお話をいただいた時はかなり悩みました。
何より、読者さんが喜んでくれるのかという点が一番気になっていました。

それらの不安は、ドラマ制作に僅かながら関わらせて頂く中で、意見をすり合わせていく内ににだんだんと消えていきました。
そして完成した第一話を拝見した時、本当に心からこのドラマ作品に出会えて良かったと思いました。

ちょうど昨夜、ドラマでの主演のお二人がインスタライブを行なっているのを拝見して、その中でこちら原作サイドの気持ちを大変慮ってくださるお言葉を頂きとても嬉しかったのですが、その時改めて私は読者さんにこそドラマ化を一番に喜んでほしいなと思いました。

なにしろここまで連れてきてくださったのは読者さんの存在に他ならないからです。

映画版を観てくれた方がいたから
ドラマCDを聴いてくれた方がいたから
漫画を読んでくれた方がいたから

色々な形でひだまりを知って好きになってくださった方がいたから、今回のドラマ化に繋がったのだと思っています。ずっとひだまりを応援してくださる皆様がいなければこのドラマ作品はありませんでした。
だからこそ、そんな皆様にこそドラマを観てほしいという思いがあります。

そしてできることなら、ドラマ版のひだまりが聴こえるも好きになってほしい。
そう願っています。

どれだけ言葉を尽くしても届かないこともあるし、不安に思う気持ちに対して安易に絶対大丈夫と言ってしまうのも無責任かもしれません。
ですがドラマの制作チームの皆さんが本当に真摯に作品作りに取り組まれている姿を拝見した1人としても、皆さんにこの想いが届けばいいなと思っています。


最後まで読んでくださりありがとうございました。